A:この手の相談は本当に多いです。
不安を解消するために大変な努力を重ねてきたのに、現実的な目標を達成しても不安は解消されない。
まさに現代特有の悩みと言えます。
今回の相談内容は男性に多いパターンですが、女性だと
「結婚さえすれば」
「美しくなれば」
「ハイスペ男子をゲットすれば」
となる傾向もありますね。
女性も男性も根本的な問題はだいたい同じです。
要はみんな幸せになりたいのです。
幸せになりたいから「良い大学へ行く」
幸せになりたいから「結婚したい」
人間はよく「目的」と「手段」を取り違えてしまいます。
不安に苛まれてる人は特にこの「取り違え」が起きやすいのです。
幸せになりたいから良い大学を目指してたはずなのに、いつのまにか「良い大学」が目的になってた。
幸せになりたいから「結婚したい」と思ってたはずなのに、いつのまにか「結婚」が目的になって余計苦しくなってた。
幸せになんかなれなくても良いから何が何でも結婚しなければ、というふうに。
人はなぜかそういう状況に陥ってしまうのですね。
ある種、強迫的な感じです。
そういう人は傾向としてすごく生真面目な性格だったり、物事に「意味」や「効率の良さ」を求めすぎるところがあるように思います。
そして、自分にとって何が幸せなのかをよく理解してないのに幸せを求めようとしているので「取り違え」が起きやすくなるのです。
ところで、人間が「幸せだなー」って感じる時ってどんな時でしょうか。
美味しい料理を食べた時幸せを感じる人は多いと思います。
でも料理って効率良いですか?
もし効率の良さを求めるなら食事は栄養を摂取するための行為なので素材をそのまま食べるかサプリメントとかで済ませても良いはずです。
わざわざ食材を皮を剥いて切って蒸して煮て揚げて…そこにそんな時間と労力、あとそこに支払うお金が発生するわけです。
時間の無駄ですよね。
しかし人はそれに幸せを感じます。
おしゃれで綺麗な服を着ると幸せな気持ちになります。
それこそ無駄ですよね。
服なんか寒さ暑さに対応してて動きやすければいいはずです。
幸せは「無駄」で出来ているのです。
今回の相談のような人によく言うのは
「無駄な事をしてください」
ということです。
例えば、どこも行く先を決めず目的も決めずただゆっくり歩き回るだけの散歩。
これをいうと「えー!そんな無理です!」と言われたりします。
でも同じ事を全然違うタイプの人に言うと
「え、そんなんで良いんですか?じゃあ今から早速してきまーす!」となるのです。
目的無くゆっくり歩き回るだけの散歩。それをやる事に恐怖や強い嫌悪感を感じてるのであれば、あなたは何か病理的なものに侵されています。
そこを超えて本当に幸せになりたいのであれば、無駄な事を受け入れられない自分の状態を自覚する事が第一歩です。
最初は上手く出来なくても良いので「無駄」を受け入れる努力をしてみましょう。
結果的に無駄な時間になった、ではなく、積極的に「無駄」をやるのです。
それをだんだん受けいられるようになってきた時、その奥に隠されてた何かに気がつくかもしれません。
何かって何か?
人によりますが大抵の場合、いわゆる「自己肯定感の低さ」と言う事になります。
生まれたままの自分は不良品なので少しでも「良品」になる努力を怠ってはいけない。
その「自分は不良品」の思い込みがなぜ起こったのか、がキーになります。
多くの場合は幼少期からの親家族との事が関わってきます。
この辺のことはまたテーマを絞って後日書こうと思います。